「コンジローマは一生治らない」と聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、コンジローマは「治療は可能だが、再発のリスクもある」といえます。
尖圭コンジローマの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)は、体内から完全に取り除くことが困難です。
そのため再発のリスクがあるのですが、免疫によって抑えることもできます。
この記事では、「コンジローマは一生治らない」と言われる理由や治療法、再発防止策をまとめています。
尖圭コンジローマに感染しているかも…と、お悩みの方は参考にしてください。
はじめに、コンジローマの概要についてまとめました。
| 原因 | HPV(ヒトパピローマウイルス) |
|---|---|
| 症状 | 性器周辺のイボの発生 |
| 治療法 |
|
尖圭コンジローマの危険性については「尖圭コンジローマと治療法について」もご覧ください。

尖圭コンジローマが「一生治らない」と言われている主な理由は、尖圭コンジローマの原因となるHPVの特徴にあります。
一つは、HPVに感染するとウイルスが皮膚や粘膜の奥に潜伏するため、イボを除去しても、ウイルスを完全に体外へ排出できなくなるからです。
もう一つは、治療した型とは別の型のHPVに感染する可能性があることです。
HPVの型の種類は200以上あるため、治療した型とは別の型のHPVに感染する可能性があります。
一度感染すると、感染したHPVに対する免疫を獲得するとされていますが、別のHPV型に対する免疫とはなりません。
そのため、再発率や再感染率の高さから「一生治らない」と言われているのです。
参考:The American Cancer Society(アメリカがん協会)
尖圭コンジローマは再発リスクこそつきまといますが、一生治らないわけではありません。
治療後、3か月以内の再発率は18~38%とされています。3ヶ月経っても再発せしなければ、再発率は大きく下がります。
HPVは体内から完全に排出するのが難しいのですが、尖圭コンジローマのイボ自体は取り除くことが可能です。
イボの除去とHPVの不活性化については医療機関に相談しましょう。
参考:「臨床に関する概括評価」医薬品医療機器総合機構(PMDA)
コンジローマの治療方法には以下のようなものがあります。
| 外科的治療 |
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|---|---|
| 薬物療法 |
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いずれの治療を行う場合も、一度では終わらないことが多い点にご留意ください。
イボが広範囲に広がっている場合、数回に分けて治療する必要があるからです。

コンジローマの再発を防止するためには、健康的な生活習慣で免疫力を高めることが大切です。
免疫力が低下していると体の防御機能が弱まり、潜伏しているHPVが再び活動を始め、イボとして現れてしまいます。
過度な飲酒や不規則な生活をできるだけ避け、規則正しい生活を心がけましょう。
尖圭コンジローマは一度感染すると、HPVが体内深くに潜伏してしまうため、体外への排出が難しいです。
そのため、HPV感染症については治療よりも予防が非常に重要です。
こちらでは、HPVの予防策をご紹介します。
性行為の際、コンドームを使用すればHPVに感染するリスクを軽減できます。
皮膚や粘膜からの感染を防げるからです。
HPVの感染を予防するためにも、性行為をするときはコンドームを装着しましょう。
ただし、コンドームを着用したとしても、予防率が100%ではない点にご注意ください。
HPVワクチンは、尖圭コンジローマの原因となるHPVの型(主に6型・11型)の感染を防ぐのに有効です。
「HPVワクチンは女性が受けるもの」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、男性にもワクチンは効果的です。
ウイルスから身を守るためにも積極的に接種することをおすすめします。
「コンジローマは一生治らない」とよく聞きますが、そんなことはありません。
確かに、体内のHPVを完全に排出することは難しいですが、免疫によって活性化を抑えることはできます。
イボについては、外科的治療や薬物療法で治療することも可能です。
当クリニックでは、尖圭コンジローマの治療や検査はもちろん、再感染を予防するための生活習慣についても相談できます。
コンジローマに感染してしまった方、感染の疑いがあって不安な方は、まずご相談ください。