クンニで「がん」になるって本当?HPV感染リスクと予防法を解説
「クンニでがんになる」と聞いて、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
以前、インターネットやSNSで話題になったということもあり、世間的な関心も高まっています。
この記事では、噂の真偽やクンニとがんの関係、予防方法まで解説します。
クンニで「がん」になるって本当?HPVとの関係
クンニでがんのリスクが上昇するのは本当です。
HPVに感染した女性器を舐めることで口腔内や喉がHPVに感染した結果、中咽頭がんのリスクが高まります。
実際にオーラルセックスの危険性は世界的に権威のある医学誌『New England Journal of Medicine』でも言及されています。
生涯で6人以上とオーラルセックスの経験がある人は、リスクが約3.4倍に上昇するという結果が示されています。
また、中咽頭がん患者の約72%がHPVに感染しており、なかでもHPV16型の感染が強く関連していることが明らかになりました。
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは、皮膚や粘膜に感染するウイルスで、主に性行為を通じて感染します。
現在、200種類以上の型が確認されており、大きく「高リスク型」と「低リスク型」に分類されます。
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高リスク型 (とくに 16・18 型) |
子宮頸がん、中咽頭がん、肛門がんなどの原因となる |
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低リスク型 (6 型・11 型) |
尖圭コンジローマの原因となる (がん化する可能性はほぼない) |
また、HPVは感染力が非常に強く、性行為経験のある女性の50%~80%が一度は感染すると推定されています。
そのため、クンニをする男性のHPV感染リスクも上昇します。
しかし、基本的に感染しても免疫によって自然に排除され、症状が出ることなく消失するケースが大半です。
ただし、持続して長期間感染すると、数年から数十年かけて細胞が変異し、最終的にがん化する可能性があります。
参考:「子宮頸がんと HPV ワクチンに関する最新の知識」公益社団法人 日本産科婦人科学会
クンニからがんになるまで
口腔内でHPVに感染してから、がんを発症するまでのメカニズムは以下のような流れです。
- HPV 保菌者との性行為でクンニをする
- HPV が口腔粘膜に感染する
- 多くの場合(約 90%)、免疫によって 2 年以内に自然排除される
- 一部が持続感染し、数年~数十年かけて細胞の変異を引き起こす
- 正常な細胞が異常な細胞へと変わっていき、最終的にがん細胞となる
- 感染からがん発症まで、通常数年~数十年かかる
上記にあるように、クンニによってHPV感染したとしても、すべての人ががんになるわけではありません。
多くの場合、免疫によって自然に排除されます。
参考:「性器HPV感染症について」米国疾病予防管理センター(CDC)
クンニによってHPVに感染しやすい男性の特徴
クンニによってHPVに感染しやすい男性の特徴は以下のとおりです。
- 複数のセックスフレンドがいる
- 喫煙している
- 免疫力が低下している
複数のセックスフレンドがいる
性行為をする相手が多いほど、HPV感染のリスクが増加します。
前述した「New England Journal of Medicine」の研究でも、生涯で6人以上とオーラルセックスの経験がある人は、中咽頭がんのリスクが約3.4倍に上昇することが報告されています。
とくに不特定多数との性行為は、相手のHPV感染状況を把握できないため、リスクがさらに高まります。
喫煙している
喫煙は免疫力を低下させてしまいます。
また、粘膜へダメージを与え、ウイルスが細胞の奥深くに入り込む隙を作ってしまいます。
さらに、喫煙はHPVの自然排除を妨げるため、持続感染のリスクが高まるのです。
たとえば、男性の喫煙者は非喫煙者に比べて、口腔がんや咽頭がんの罹患リスクが2.4倍になるというデータもあります。
HPV感染のリスクを減らすためにも、禁煙を検討することを強くおすすめします。
参考:「喫煙、飲酒と口腔・咽頭がん罹患リスクについて」国立がん研究センター
免疫力が低下している
疲労や病気などで身体の免疫力が低下している場合、HPVに感染しやすくなります。
本来なら1〜2年で自然に排除されるはずのウイルスが、喉の粘膜に居座り、持続感染するからです。
とくに「疲れ・病気・喫煙」が重なると、喉の粘膜などの防御機能が著しく低下し、ウイルスを排除できなくなります。
HPV感染の予防にはワクチン接種
HPV感染によるがん発症リスクを下げるために最も有効なのは、HPVワクチンを接種することです。
「女性のためのワクチン」というイメージが強いかもしれませんが、男性への接種も推奨されています。
接種することで、中咽頭がんや肛門がん、尖圭コンジローマのリスクを抑えられるのです。
アメリカの研究では「ワクチンを1回以上接種した人は非接種者に比べて、がんの原因となる4つの型(HPV6, 11, 16, 18)の口腔内感染率が約88%減少すると推定できる」と報告しています。
リスクを今のうちに摘み取っておくことは、将来の自分に対する大きな安心材料になります。
まずは、お近くの病院やクリニックでHPVワクチンが接種できるかどうか、確認するところから始めましょう。
参考:米国の若年成人におけるヒトパピローマウイルス(HPV)予防ワクチン接種による口腔HPV感染への影響
性行為とHPVに関するよくある質問
性行為とHPVに関するよくある質問をご紹介します。
クンニ同様に、フェラでがんになる可能性はありますか?
あります。
ペニスにHPVが感染している場合、フェラチオによりペニスから喉へ感染することで中咽頭がんのリスクが高まります。
ワクチンは喉への感染も性器への感染も、両方防げるのですか?
はい、両方に有効です。
ワクチン接種で得られた抗体は全身に作用します。
性行為を経験したらHPVワクチンは意味ないと聞きましたが本当ですか?
いいえ、十分意味があります。
HPVには多くの種類があり、ワクチンを接種することで「まだ感染していない型」への感染を防げるからです。
一人で悩まず医療機関を受診しよう
今回は、「クンニでがんになるって本当?」という噂について、HPVの特徴と合わせて解説しました。
【まとめ】
- クンニでがんになる可能性はある
- がんになる原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染
- 不特定多数との性行為、喫煙、免疫力が低下している男性は感染しやすい
- HPV 感染の予防にはワクチン接種が有効
HPV保菌者の女性をクンニすることで、数年~数十年後に男性ががんを発症する可能性はあります。
しかし、ワクチンを接種することで予防することも可能です。
当クリニックでは「シルガード」という9種類のHPV感染を予防できるワクチンを提供しています。
性行為を心から楽しむためにも、HPVワクチンを接種しましょう。
